溺れるように愛して
002:addiction love
「最近一緒じゃないね」
「一緒?」
「あの幼馴染の子と」
一週間に平均二回。多い時は三回。
私は彼の部屋に訪れては、ずるずると曖昧な関係を築いていく。
白いシーツに包まるようにして、隣りで壁に体重を預けるようにして座る彼を見上げる。
「別にいつも一緒じゃないけど」
「そう?前は半々だったよ」
「半々?」
「朝。一緒にいる時といない時」
「よく見てんね」
そう言われて「まぁ」と言葉を濁す。
好きな人と、その好きな人に近い人なんて、嫌でも目に入るじゃないか。そう皮肉を込めて言ってやりたいけれど、小心者の私にその勇気はない。
「席が前だから目に入る」
おかしな言い訳を取り繕って嘘を重ねる。
無意識にシーツを口まで持ち上げていたのは、その嘘にどこか後ろめたさがあったからなのかもしれない。
そんな意味合いに気付かない男は「ふーん」と素っ気ない返事をするだけで、会話を広げていく気はさらさらないらしい。
「一緒?」
「あの幼馴染の子と」
一週間に平均二回。多い時は三回。
私は彼の部屋に訪れては、ずるずると曖昧な関係を築いていく。
白いシーツに包まるようにして、隣りで壁に体重を預けるようにして座る彼を見上げる。
「別にいつも一緒じゃないけど」
「そう?前は半々だったよ」
「半々?」
「朝。一緒にいる時といない時」
「よく見てんね」
そう言われて「まぁ」と言葉を濁す。
好きな人と、その好きな人に近い人なんて、嫌でも目に入るじゃないか。そう皮肉を込めて言ってやりたいけれど、小心者の私にその勇気はない。
「席が前だから目に入る」
おかしな言い訳を取り繕って嘘を重ねる。
無意識にシーツを口まで持ち上げていたのは、その嘘にどこか後ろめたさがあったからなのかもしれない。
そんな意味合いに気付かない男は「ふーん」と素っ気ない返事をするだけで、会話を広げていく気はさらさらないらしい。