溺れるように愛して
学校では女の子と話しているのを見たことがない。男友達ばかりと談笑してる。

そんな彼が、放課後は私だけを見てくれる。

そんな優越感に浸っていられるから、私はこの関係をやめられない。

きっとこの関係を周りに話せば「やめといた方がいい」と忠告を受けるに違いない。

現に紗子は良い顔をしていない。友達のアドバイスは聞き入れるべきだと理解はしている。でも、全ては好きが邪魔をする。好きだから、好きだから、好きだから、

―――分かってる。

傍から見れば、こんなの大事にしてもらっているとは言わないことぐらい。

都合の良い関係性にしか見えないと客観視出来ている自分がいる一方で「でも、大事にしてくれているのかもしれない」とも反発してしまう自分がいる。

だって、いつだって彼は最後までしない。絶対に、いれようとはしない。

そんなところがあるから、私は彼を甘やかしてしまう。簡単に頷いてしまう。

―――好きって、怖い。
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