溺れるように愛して
「それがさ、」
そう切り出せるだけ、わたしの肩の荷はぐっと降りる気がする。
モヤモヤした感情がすぅーっと消化されていくような、そんな気分。
話すことで楽になる。根本的なものは解決されないかもしれないけれど、言葉にすることで自分の頭の中も整理出来る。
昨日の出来事を、夏目くんという名前だけ伏せてあらかた話をした。
好きな人と遭遇して、気まずくて、途中まで一緒に行ったということ。
「え、なに。向こうは天音のこと知ってんの?」
「え?」
「話したことあるの?」
「あ、……ある。すこし」
「ふーん?」
彼女には夏目くんと放課後、ちょっと厭らしい関係ですとは伝えてない。
好きな人がいて、その好きな人に幼馴染がいて、毎朝バスでその光景を見てるということぐらいしか。
わたしの違和感に彼女はすぐ気づいたようだけど、黙って目を瞑ることにしたらしい。
「駅も反対方向なのに、なんでかなって」
「反対方向って知ってんのはなんで?」
「っ……なんとなく」
「はぁ。なんとなくね」
それでも辻褄の合わないことが多く出てしまうわけで。
そう切り出せるだけ、わたしの肩の荷はぐっと降りる気がする。
モヤモヤした感情がすぅーっと消化されていくような、そんな気分。
話すことで楽になる。根本的なものは解決されないかもしれないけれど、言葉にすることで自分の頭の中も整理出来る。
昨日の出来事を、夏目くんという名前だけ伏せてあらかた話をした。
好きな人と遭遇して、気まずくて、途中まで一緒に行ったということ。
「え、なに。向こうは天音のこと知ってんの?」
「え?」
「話したことあるの?」
「あ、……ある。すこし」
「ふーん?」
彼女には夏目くんと放課後、ちょっと厭らしい関係ですとは伝えてない。
好きな人がいて、その好きな人に幼馴染がいて、毎朝バスでその光景を見てるということぐらいしか。
わたしの違和感に彼女はすぐ気づいたようだけど、黙って目を瞑ることにしたらしい。
「駅も反対方向なのに、なんでかなって」
「反対方向って知ってんのはなんで?」
「っ……なんとなく」
「はぁ。なんとなくね」
それでも辻褄の合わないことが多く出てしまうわけで。