溺れるように愛して
*
「っ」
「なに、入んないの?」
ぐるぐると考えた。自分の好きも消せるんじゃないかと押し込めたりもしたけれど、結局わたしが行き着いた先は、いつも通り、夏目くんの部屋だった。
玄関先で立ち止まるわたしを見て、怪訝そうなその顔つきに一瞬引き返そうとしたけれど「……お邪魔します」と気付けば控え目に呟いていた。
「最近美人なおねーさんは来てないの?」
「来てないよ。同じペースで花咲さんが来て掃除してくれるから」
「わたし、それ仕事としてお金もらっていいんじゃないかな?」
「あげてるじゃん。身体で」
「……またそうやって平気な顔して」
彼と一緒にいると、まんまと流れに乗せられてしまう。
好きな人といると、罪悪感は残りながらも、この空間を自分から壊せない。
だって、好きなんだもの。
好きな人の部屋に囲まれて、好きな人と一緒にいれたら、それだけで幸せなんだもの。
それを自分から壊すことなんて今の自分には出来ない。
「っ」
「なに、入んないの?」
ぐるぐると考えた。自分の好きも消せるんじゃないかと押し込めたりもしたけれど、結局わたしが行き着いた先は、いつも通り、夏目くんの部屋だった。
玄関先で立ち止まるわたしを見て、怪訝そうなその顔つきに一瞬引き返そうとしたけれど「……お邪魔します」と気付けば控え目に呟いていた。
「最近美人なおねーさんは来てないの?」
「来てないよ。同じペースで花咲さんが来て掃除してくれるから」
「わたし、それ仕事としてお金もらっていいんじゃないかな?」
「あげてるじゃん。身体で」
「……またそうやって平気な顔して」
彼と一緒にいると、まんまと流れに乗せられてしまう。
好きな人といると、罪悪感は残りながらも、この空間を自分から壊せない。
だって、好きなんだもの。
好きな人の部屋に囲まれて、好きな人と一緒にいれたら、それだけで幸せなんだもの。
それを自分から壊すことなんて今の自分には出来ない。