月ノ蝶、赤縄を結ぶ
消失
月詠家本邸を後にしてから数週間が経った。
日暮組討滅作戦もとい【四面楚歌作戦】は上手くいっているが、まだまだ油断はできない。
むしろ順調すぎて嫌な予感がする。
茜は元気にしているだろうか。
見送ってくれたとき、茜が笑顔を作っていることには気づいていた。
でもそれを指摘してしまえば泣き崩れていただろう。
茜の強がりをわかっているから、俺もあっさりと家を出たんだ。
「若、今日のノルマは達成しました」
「そう。ご苦労」
朱雀に声を掛けられて意識を現実に戻した。
ふとした瞬間に思い浮かぶのは茜のことばかり。
茜から貰ったハンカチは常に胸ポケットに入れ持ち歩いている。
これをぎゅっと握ると幾分か気持ちが落ち着く。
寝る前は茜の写真を見返して思い出を繰り返す。
それでも布団が温まることは無かった。当然だけど。
茜を抱きしめて寝るときは茜の吐息が俺の胸元に当たってそこが温かくなる。
まるで茜の呼吸まて俺が独占しているみたいで気分がいい。
日暮組討滅作戦もとい【四面楚歌作戦】は上手くいっているが、まだまだ油断はできない。
むしろ順調すぎて嫌な予感がする。
茜は元気にしているだろうか。
見送ってくれたとき、茜が笑顔を作っていることには気づいていた。
でもそれを指摘してしまえば泣き崩れていただろう。
茜の強がりをわかっているから、俺もあっさりと家を出たんだ。
「若、今日のノルマは達成しました」
「そう。ご苦労」
朱雀に声を掛けられて意識を現実に戻した。
ふとした瞬間に思い浮かぶのは茜のことばかり。
茜から貰ったハンカチは常に胸ポケットに入れ持ち歩いている。
これをぎゅっと握ると幾分か気持ちが落ち着く。
寝る前は茜の写真を見返して思い出を繰り返す。
それでも布団が温まることは無かった。当然だけど。
茜を抱きしめて寝るときは茜の吐息が俺の胸元に当たってそこが温かくなる。
まるで茜の呼吸まて俺が独占しているみたいで気分がいい。