月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 それから互いの存在を確かめるようにぴったりとくっついて眠った。






 翌日。

 日暮家本邸で交戦していた構成員たちが無事帰還した。

 元々私を取り戻すのが目標だったため、私たちの乗る車が出発しだい撤退したという。

 また、蒼くんから日暮家本邸を占拠したと連絡があった。

 日暮千歳が留守にしていたおかげで楽に終わったらしい。

 そしてその日暮千歳は、昨日あの場で天ちゃんに取り押さえられた。

 ついでに鈴井真那も。


 私はそれらの報告を全て紅くんの膝の上で聞いた。

 報告に来た幹部たちは苦笑いだったけど、紅くんは全く動じないどころか、むしろこれが当たり前だと言わんばかりに振舞っていた。



 そしてさらに翌日、時峯藤治から直筆の手紙が届き、時峯家本邸に呼び出された。

 一昨日と同じ大広間に通されると、時峯藤治だけではなく天ちゃんも同席していた。

 紅くん曰く今回のことは天ちゃんが私のことを守れなかったから全責任をとってもらうつもりらしい。
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