月ノ蝶、赤縄を結ぶ
月詠会の利益にもなるし、紅くんの誕生日プレゼントを買うお金がないって困らなくて済むしね。
そして遂に、紅くんが正式に月詠会会長の座に君臨した。
若頭は朱雀が務めている。
紅くんの婚約者である私が時峯藤治の孫ということをちゃんと使ってくれたおかげらしい。
私にとってはどうでもよかった血の繋がりが紅くんの役に立って嬉しかった。
時峯藤治の執務室から自室に戻る廊下を歩いていると、庭に雪が積もっているのが見えた。
ここは孤立した島だけあって積雪するのは非常に珍しい。
今年はホワイトクリスマスになるのかな。
紅くんと一緒に過ごせないからどっちでもいいや。
私の誕生日に合わせたいからと毎月17日に会うことになっているからね。
昨年は離れ離れになったばかりだったから耐えられたけど、今年はどうかな。
先日会ったばかりだというのにもう紅くんに会いたい。
寒さを理由にずっとくっついていたいし、勉強頑張ったねって褒めて甘やかされたい。