月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 酸素が足りなくて目眩がする。

 息を整えていると、紅くんの手が私のモコモコパンツに手をかけた。



「ひゃっ」



 するりと抜き取られると脚が空気に触れひんやりとした。

 紅くんがあらわになった脚をパカッと開き、キスを落としていく。

 際どいところまで触れてくれるのに、大事なところは避けられる。

 もどかしくて切ない。



「紅くん」

「ん?口が寂しいの?」



 絶対に違うって分かってるくせに、とぼけたことを言う。

 それでも反論する間もなく口にキスを落とされる。

 背中に手を回し引き寄せると、紅くんがピクっと反応した。

 甘く痺れているところに、硬いものが当たる。

 実際に見たことはないし触ったこともないけど、それが何なのかは分かった。


 紅くんが、私に欲情している証。


 紅くんも我慢してたんだ。

 私を傷つけないように、焦らせないように。
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