月ノ蝶、赤縄を結ぶ
私、私はね。
「紅くんにも気持ちよくなって欲しいの」
いざ言葉にするとと恥ずかしくて、思わず口を手で覆った。
瞳からは涙が一粒零れ落ちた。
「・・・すっごい殺し文句だね」
紅くんの目が妖艶に光った。
「さいっこーに可愛い」
いつもとは違う、砕けた口調と、
「茜だけを愛してる」
執着とも呼べる深い愛情。
この日私たちは身も心もひとつになった。
朝起きたら紅くんはいなかったけど、シーツの乱れが情事を明確に表していた。