月ノ蝶、赤縄を結ぶ

「すごく可愛いよ、茜。天使みたい」

「紅くんもとーってもかっこいいよ」



 今日の私はプリンセスラインの純白のウエディングドレスを身にまとっている。

 ウエストからふわっと広がるスカートがとても可愛い。

 紅くんが私に似合うと選んでくれたものだ。



 私、胡蝶茜改め時峯茜は今日、最愛の人である月詠紅くんと結婚する。






 結婚式は滞りなく進んだ。

 賛美歌を歌い、誓いの言葉を交わし、結婚指輪を互いに交換し合った。

 紅くんが指輪をはめてくれたときにキスしてくれたから私も同じものを返すと嬉しそうに微笑まれた。

 そういえば私が紅くんの指にキスしたのは初めてだ。

 そのことに気づくと急に気恥ずかしくなってぷいっと顔を背けた。

 紅くんはそれすらも愛おしそうに笑ってたけど。


 ベールアップを行うと視界がクリアになった。

 紅くんの端正な顔がより綺麗に瞳に映る。
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