月ノ蝶、赤縄を結ぶ
 校舎裏に来るなんて珍しい。

 この現場見られたらこの子達はどんな反応するのかな。



「何やってんの?」

「あ、鈴木真那」



 なんとやって来たのは鈴木真那だった。

 さっきまで生き生きと私を責めていた彼女達は固まる。



「何やってんのか聞いたんだけど、無視?」

「え?えっとね、真那くん。実は私達胡蝶さんと話してみたくって、それで」

「それで校舎裏に?嘘下手だな」



 鈴木真那は無理やり取り繕う彼女達をバッサリと切り捨てた。

 これ以上は無理だと判断した彼女達は「わ、私たちは仲良くなろうとしただけなのに・・・!」と無茶な設定を貫きつつ退散した。



「ナイスタイミング。ありがとう」



 親指を立て感謝を伝えても、鈴木真那は不機嫌そうに私を見つめた。



「いつからこんなことされてんの?」

「入学当初から」
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