月ノ蝶、赤縄を結ぶ
紅くんは私を真っ直ぐ捉え、涙をそっと拭ってくれた。
「やっぱり茜は可愛いね。大好き」
甘い吐息を漏らしながら、自身の唇を私のおでこに押し当てた。
悲しくて思い返す度に胸が張り裂けそうだった思い出が塗り替えられていく。
「わ、私も、紅くんが好き。大好き!」
精一杯気持ちを伝えると、紅くんは伏し目がちに笑った。
その笑顔と昔の笑い方が重なって、また泣きそうになった。
「茜。家に帰ろう」
「うん、帰る!」
凍結していた心がゆったりと溶け始めた。
身体も芯から温まり、ぽかぽかする。
そのまま紅くんにお姫様抱っこされて、車に乗り込んだ。
この一連の出来事を鈴木真那が血の気のない顔で見ていただなんて、幸せいっぱいの私には知る由もなかった。
「やっぱり茜は可愛いね。大好き」
甘い吐息を漏らしながら、自身の唇を私のおでこに押し当てた。
悲しくて思い返す度に胸が張り裂けそうだった思い出が塗り替えられていく。
「わ、私も、紅くんが好き。大好き!」
精一杯気持ちを伝えると、紅くんは伏し目がちに笑った。
その笑顔と昔の笑い方が重なって、また泣きそうになった。
「茜。家に帰ろう」
「うん、帰る!」
凍結していた心がゆったりと溶け始めた。
身体も芯から温まり、ぽかぽかする。
そのまま紅くんにお姫様抱っこされて、車に乗り込んだ。
この一連の出来事を鈴木真那が血の気のない顔で見ていただなんて、幸せいっぱいの私には知る由もなかった。