月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 紅くんの目に可愛くて綺麗に映っていることがたまらなく嬉しい。



「紅くんはかっこよくなったよね」

「そう?ならよかった」



 伏し目がちに‪笑う紅くんの目にかかった髪を耳にかけた。

 サラサラしていて触り心地がいい。

 ブリーチをしたはずなのに傷んでいないところをみると、きちんとお手入れしているみたい。



「髪、銀色に染めたんだね」

「うん」

「でもなんで銀色?」



 疑問を口にすると、紅くんはバツが悪そうに目を逸らした。



「あー・・・引かない?」

「引かない」

「・・・返り血浴びたとき、黒髪だと洗ってもちゃんと落とせたか分かりにくいから」

「! 確かに。紅くん頭いい!」
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