月ノ蝶、赤縄を結ぶ


「タバコの依存性については知ってるでしょ?茜のお願いでも、いきなり辞めるのは正直キツいんだ」



 それは分かってる。

 だから伝えるのを躊躇したんだけど・・・。



「わ、分かった。でも何すればいいの?」



 私の問いに答える前に、私の首の後ろに手を回し引き寄せられ、そのまま触れるだけのキスをされた。



「・・・こういうの」

「べ、紅くん・・・?」

「ん?」

「・・・大人っぽすぎない?」

「大人だからね」



 いくら子どものするような軽いキスだからといって、好きな人からされれば威力は絶大だ。

 内側から沸騰するように頬に熱がこもった。



 い、今、私、紅くんとファーストキスを・・・!!!



 紅くんは私の反応を満足そうに見つめている。

 そのまま近づいてきて、また唇を重ねられた。

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