悪魔と涙と甘い恋。
例えば、あたしが神楽さんを心配していたのがバレてたとして。
心配させないように神楽さんは言葉を探して。
10分以内なら意識を保てるから大丈夫って言おうとして。
それが神楽さんにとってカッコ悪いものだとしたら……。
あの行動に少しは納得できる。
全部あたしの妄想で真実なんてわかんないけど……、そうかもしれないって自分の都合の良いように考える。
「てかさー、羽瑠って神楽さんのこと好きなの?」
「えっ……!?」
「さっきからずっと神楽さんのことばっか」
「ち、違います!好きじゃないですっ……!」
両手をブンブンと振って全力で拒否る。
この気持ちはバレちゃいけない。
「ほんとかなぁ」
ジトーッと疑いの眼差しを向ける敦雅さんから逃げるようにあたしは立ち上がった。