悪魔と涙と甘い恋。
「だからぁ、怒られるってー」
なんて声が後ろから聞こえて。
あたしは慌てて早足に切り替えた。
♢♦︎♢♦︎♢
真夏の喫煙所は地獄だ。
照り付ける太陽に、蝉の鳴き声。
ここにいる全員が、涼を求めて日陰に集まっている。
「あ、」
高身長のふわふわのパーマ。
そこから千葉さんを見つけるのは簡単だった。
「あ、あの千葉さん」
「ん?何だ?」
えっと、ここで話しちゃまずいよね?
他の人もいるし……。
チラッと周りにいる人を見ると、千葉さんは持っていた煙草の火を消した。
「場所変えるか」
「あ、はいっ!」
言われるがままに移動して。
たどり着いた場所は縁側だった。
「えっと……」
今までは居間とかあたしの部屋だったから、縁側なんて予想外過ぎて戸惑ってしまう。