悪魔と涙と甘い恋。
「て言うか、俺じゃなくても神楽さんに聞けばよかったのに」
「え?神楽さん知ってるんですか?」
「うん知ってるよ。組のこと大体把握してるから」
えっ……。
だったら神楽さんに聞けばよかったかも……。
……。
ううん。やっぱり千葉さんだったかな。
だって。
「神楽さん最近忙しそう……」
「たしかにね。今、桐龍組が動いてるって話だし」
聞きなれない言葉に、頭の中でハテナが浮かぶ。
「桐龍組?」
「こっちの世界では“縄張り”って言うのが存在して、そこで治安を守るのが俺達の仕事。で、桜夜組とは別の縄張りを持ってるのが桐龍組」
……。
難しくて何言ってるかわかんないかも。
「簡単に言えば、俺達のシマ以外には別の組織が存在してるって事だ」
わかったような、わからないような。