悪魔と涙と甘い恋。
「聞かなかった?最近ウチの幹部が怪我したって話」
「え……知らない、です」
「たぶんあれは桐龍組の仕業だと思うんだ、俺は」
桐龍組……。
漠然とした組織に恐怖心を覚えた。
「神楽さんは、その桐龍組を追ってるんですか……?」
「動きを調べてるだけだと思うよ?変な事しないか」
例え、動きを調べてるだけでも、No.2と言っても……神楽さんのことが心配で。
何も巻き込まれませんように。と、願うしかなかった。
「だいぶ話が脱線したけど、柊さんなら夕方帰って来ると思うよ?」
「え?あっ」
そうだった。
あたしは敦雅さんの話を聞きに来たんだった……!
早く作戦立てなきゃ。
「あ、あのっ、ありがとうございました!」
ペコリと頭を下げれば、千葉さんがフッと笑った。
「俺は何もしてないけど。でも頑張って」