悪魔と涙と甘い恋。
「……!」
『頑張って』
その言葉に勇気を貰った気がした。
2人をもと通りにしたいのは、あたしだけじゃないって言われたみたいで……。
頑張れそうな気がしたんだ。
♢♦︎♢♦︎♢
「何?わざわざこんな所に呼び出して」
夕飯を食べ終えた後。
意外にも涼しかった縁側に敦雅さんを呼び寄せた。
日が落ち始めた縁側は日中より、うんと涼しくなる。
「単刀直入に言いますね」
「何?」
「衣吹さんと仲直りしてほしいです」
「は?」
敦雅さんの眉間にシワが寄った。
「敦雅さんもこのままは嫌でしょう?」
「くだらねぇ」
そう言って立ち去ろうとする敦雅さんの腕を掴んだ。
だけどすぐに払われて。
もう一度、今度は両手で掴む。