悪魔と涙と甘い恋。
他の奴等も数人いて、柊と一緒に草取りをしている。
こんな灼熱な中ご苦労な事。
「冷やかしなら部屋に戻れよ。絶対安静なんだろ?」
ぶっきらぼうにそう言い放ち、淡々と草を取る柊。
ほんとこいつは変わらずだな。
まぁ、労ってんのがわかるから別にいいけど。
「なぁ、柊」
「……何」
「羽瑠のボディガードやるか?」
「………は?」
柊の手が止まった。
と、同時に俺の方を向いて立ち上がる。
「羽瑠のボディガードは神楽さんだろ?」
「やりたいって言ってなかった?」
「は?」
柊が動揺している。
まぁ、無理もないか。
“何で今更”ってなるよな。
「神楽さん組抜けるのか……?」
「ハッ、な訳ねぇだろ」
柊のあり得ない言動に乾いた笑みが溢れた。