悪魔と涙と甘い恋。
「じゃあ何で……!」
一歩柊が近付いて来たところで、俺は背を向けた。
くだらねぇ事言ってねーで組長の所に行くか。
「やっぱ何でもねぇわ。忘れて、さっきの言葉」
「は!?ちょ、意味わかんねーし」
バタバタと柊が近付いて来る音がした。
が、柊は外。
中にいる俺をこれ以上追いかけて来る事はねぇだろ。
そんな奴じゃねぇし。
「おい!説明しろよ!」
そんな声を遠くで聞きながら、俺は組長の部屋に向かった。
♢♦︎♢♦︎♢
「で、何だ?話って」
「折り入って頼があるんですが……」
スッと地面スレスレの所まで頭を下げた。
「羽瑠のボディガードを降りる許可をください」
「……」
「……」
「そう言うにはそれ相応の理由があるんだろうな……?」