悪魔と涙と甘い恋。

今が夜で、あたしの部屋だからと言っても、それは恥ずかしすぎるわけで。


だって練習っていっぱいキスすることだよね……?


あたしにはハードルが高すぎる……!



「恥ずかしい?」


う……。

そんなの………恥ずかしいに決まってる。


誰かに言われたら余計に。



「でもタイミング掴まねぇと羽瑠死んじゃうし」

「ん"ん"っ……」


何その可愛い言い方……!

不意打ちすぎてキュンを通り越してギュンだよ。



「練習だから。無理なら言って」



チュッと軽く唇がくっついた。



もうあたしの心臓は激しくドキドキしている。

優しい声色と、ふわりと香るフェロモンに頭が溶けてしまいそう。



角度を変えて何度も重なる唇に、やっぱり息を止めてしまって。


「羽瑠。息しねぇと」


そんなこと言われてもわかんないんだもん。



「タイミング、感じて」


チュッと唇が重なるだけでもドキッとするのに。


感じるなんて……。


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