悪魔と涙と甘い恋。

あたしなりに小さく吸って、息を吐く。


それがちゃんと出来てたのかわからなかったけど、神楽さんは優しい声を出した。



「ん。そんな感じ」


まるで“良い子”とでも言ってるかのように、スリッとあたしの頬を撫でる指先に全神経が集中してしまう。


ふわふわしてくすぐったい。


胸がキュンとして、好きが溢れてくるんだ。




もう何度目かわからないくらいキスをして。


チュッと小さくリップ音を鳴らし、神楽さんはあたしから離れた。



練習……終わり……?


そう思ってたらクイッと顎を上げられて、神楽さんと強制的に視線が絡む。



うぅ……。


そんなに見つめられるとドキドキする。




「口、開けて」

「えっ……?」

「もっと」


言われるがままに口を開けると。



「!?」


神楽さんの舌が入ってきた。


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