悪魔と涙と甘い恋。
敵対組織
台所で夕飯の準備をしている時。
遠くの方から聞こえてくる声に、ふと手を止めた。
そしたら一緒にいた1人の幹部があたしと同じように手を止める。
「何か騒がしくね?」
「ほんとだ。何かあったんかな?」
もう1人が台所から覗くように顔を出す。
「なんか人がいっぱい集まってる」
「は?マジ?」
「ほらほら。手が止まってるわよ」
睦美さんの声に、バラけていたみんなが瞬時に持ち場に戻る。
「行くのはここが済んでからよ」
「はーい」
……。
それこそ声には出さなかったけど、あたしも気になってるわけで。
廊下の方で人が集まるってなかなか無いことだし……。
きっと何かあったんだろうな。
なんて考えながらお味噌汁を作ってると、ふと廊下から幹部達の声が聞こえた。