悪魔と涙と甘い恋。
「ど、どうしよ……」
だんだん怖くなってきた。
どうして電話に出ないの……?
衣吹さん……何かあったの……?
「チッ、姐さん探すぞ。何か情報手に入れてるかもしれねぇ」
「そ、そうですね……!」
もうぶつかったことなんか忘れちゃって。
あたし達は廊下を走った。
すれ違う幹部の人から衣吹さんのことも聞きながら睦美さんを探す。
そんな時。
ガラッと玄関のドアが開いて、ボロボロになってる幹部の人が2人立っていた。
「お、お前ら───」
「ひ、柊さん!!これが門の前に貼られてました……!」
差し出されたのは紙切れ一枚。
だけど内容がとんでもないものだった。
【1人ずつ消していく】
【探りはやめろ】
【手始めに娘から】
怪文書のような字。
それは一目で脅迫状とわかった。