悪魔と涙と甘い恋。
至難のボディガード
♢side 神楽♢
「フー……」
煙草の煙を吹けば、どこからかバタバタと走る音が聞こえた。
その音は徐々に近づいて来て。
ここの喫煙所にやってくる。
「神楽さん!」
息を切らした後藤が大声で俺の名前を呼んだ。
「うるせぇな」
「やっぱ機嫌が悪い。聞きましたよ、神楽さんこの間組長が拾った少女のボディガードになったって」
もう知ってんのかよ。
「何でそんなことになったんですか?」
「うるせぇな」
もう一度煙草を吸って、吐く。
「って!何本吸ってるんすか!?」
「あ?」
生意気にも俺の煙草を取ろうと手を伸ばす後藤。
そいつの頭を掴んで動きを封じる。
「お前何してんの?」
「痛たたた!!ちょ、やめてくださいよ……!」