悪魔と涙と甘い恋。

バタンと勢いよくドアを閉めれば、真正面にある鏡にあたしの姿が映し出される。


あたしの顔真っ赤。

そりゃこんな姿見たら神楽さんも笑っちゃうよ……。



ブンブンと頭を大きく振って思考を切り替える。


早く入っちゃお。


すでに頭がポーッとしてるから……のぼせる前に。






   ♢♦︎♢♦︎♢


ガチャッとドアを開けて神楽さんのもとに行くと、待っていたかのように立ち上がった。


まだちゃんと乾ききってない髪の毛を見て、ポンッと手を乗せる。



「風邪引く前に乾かせよ」

「あ、はい……」


顔が柔らかかったからか、声色が優しかったから、とにかくかっこよくて胸がキュンとした。

どうしてだろう……。

いつもの神楽さんなのに。


間接照明のせいかな……いつもより大人っぽく見える。


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