悪魔と涙と甘い恋。
熱い指先
次の日。
いつものようにあたしの部屋で、神楽さんと一緒に朝ごはんを食べているときだった。
「羽瑠の部屋って何も置かねーの?」
「えっ……?」
「飯食う時いっつも思ってたんだけどテーブルもねぇの?」
「あっ……」
そっか。
そうだよね。
今までの生活と比べて、あたしはこの部屋での暮らしに何も不自由が無かった。
だから何も思わなかったけど、テーブルがないとご飯食べにくいよね。
「今度買いに行くか?」
「えっ……」
「必要最低限の物でいいから何か置いたらどうだ?この部屋時間もわかんねぇし」
「お金が……」
「あーそう言う事か」
何か買うにもお金が無くて。
ここに住まわせてもらってるだけで、あたしにとってとても贅沢なこと。
これ以上求めるものは何もない。
それ以降の会話は無くお互いただ無言で食べ続けた。