溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。



「……集中されているところ、申し訳ありません。奥様。」

「トキさん、どうしたの?」


 焦っているトキに問えば「旦那様が資料を忘れてしまったので届けて欲しいと」と電話があったと伝えられた。

 そういえば、昼から会議があるって言っていたな……その資料かしら。



「分かりました。届けに行きます。トキさん、着替え手伝いしていただけますか?」

「はい、もちろんです」

「ありがとう。じゃあ、急いで支度しましょう」


 神林さんと阿部さんに片付けだけをお願いをすると、私は本邸に向かい自室に行った。清楚だけど、優生さんが恥ずかしくないように格好も気をつけなくてはいけない。

 派手ではなく、あまり堅すぎないような服ってあまりないんだよね……こういった時のために服を買うべきかもしれないなぁと思いながら、パステルピンク色のジュイ柄シフォンブラウスに繊細なレースのロング丈のマーメイドスカートを着た。


「さぁ、奥様。車は前に回してあります」

「ありがとう、トキ。じゃあ、留守を頼むわね」


 私は白のヒール付きパンプスを履いて、準備されていた車に乗った。




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