溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
「藍梨、でも今日は元気ないよね。顔色も悪いし、少し休む?」
「大丈夫だよ。……ねぇ、香奈」
「ん? どうした?」
「と、友達の話なんだけどね。友達が、親の紹介で結婚したんだけど……その、旦那さんが本当は好きな人がいてどうしたら良いのか分からない、らしいの」
「……は?」
香奈はだんだん仏頂面になり低く怖い声を出す。
「わ、私の話じゃないんだよ。友だちの話で」
「うん。そうね、わかってる……んー、表面上の話だけで言えるのは別れた方がいいと思うけど。でも、その二人の関係とか普段の感じとかが分からないとなんとも言えないかな」
「……ま、まぁそうだよね。ありがとう」
その後は、たわいもない話をしながら、専属のパティシエの方が作ってくれたケーキを食べて帰宅した。