溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
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あれから三日、私は優生さんに内緒で家を出るとトキさんには一人で行きたい気分だと言ってバスを利用して産婦人科へと向かった。
受付すると、問診票を記入して受付の人に渡す。すると番号札【二十四】を渡される。
すぐに中待合室に案内されて入ると妊婦の方や幸せそうな夫婦がたくさんいてなんだか気まづかった。私はきっとその中には入れないだろう。
「――二十四番さん、第二診察室にお入りください」
中にいたのは優しそうな女医さんで安心する。
問診をし、血液検査と尿検査をするために検査室に行き終われば内診室で内診をされ再び診察室へと呼ばれた。
「――八週目になりますね、おめでとうございます」
医師がエコーを見ながら説明してくださるけど、頭の中は離婚という二文字がグルグル巡る。
もし、優生さんに言ったら離婚の話をされるのかな。本当は好きな人がいたことも、この子は寺坂で育てるって言われるのかもしれない。
私はどうすれば――そんな負の循環に陥っていたが、先生に写真を渡されてモニターを見る。
すると、小さな豆粒みたいなのがバクバクと動いてるのが見えた。
「……っ……」
生きてるんだ、このお腹の中で……
「エコー写真を渡しておくわね、じゃあ次の検診は受付でして行ってね」
「あ、ありがとうございました……」
私は診察室を出ると待合室のソファに座り、もらったエコー写真を見た。
「……わたしのお腹に……本当にここに赤ちゃん、いるんだ。この子のことは、私が守りたい」
そう思った私は、会計をして病院を後にするとそのままの足で役所に向かった。
そこで、母子手帳を貰い役所内のもう一件寄って書類をいただいてからタクシーで帰った。少し遅かったからか帰宅するとトキさんには心配させてしまっていろいろ聞かれたけど何も言うことはできない。
だって、トキさんは優生さんが雇っている人だし、きっと報告されてしまうだろうから。
その後、優生さんは帰ってきたけど何もなかったように振る舞い一日が終わった。