溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
14.いなくなった最愛のひと【優生side】
――連絡は突然やってきた。
俺が会社に出勤して二時間ほど経った頃のことだ。いつもは何かがあった時だけしかかかってこないトキさんからの電話が鳴りスマホが震え何も考えずに電話を出た。
「優生様、落ち着いて聞いてくださいね。藍梨さまがいなくなりましたっ」
「……えっ? 何?」
「部屋には何も残っていなくて、テーブルには……あの」
「……はっきりと言って」
「手紙と記入済みの離婚届と指輪が置いてありますっ」
「……は、離婚届?」
朝は普通だったはずだし、見送ってくれた。不満とかも聞いたことがない。なのにどうして……!?