溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
吉田は、封筒を持っていてそれを俺に手渡す。その封筒には綺麗な字で【優生さんへ】と書かれている。彼女の字だ。間違いない。
「離婚届とともに置いてありましたものです。当たり前ですが、中は見ていません」
「わざわざありがとう」
「いえ。優生様、聞いていただきたいのですが奥様は最近はずっと体調が悪そうでした。優生様には言わないようにと口止めをされていて」
「……え?」
体調が悪かった……?毎日、彼女を見ていたのに気付いてなかった。だが、考えてみると彼女はここ最近元気がなかったかもしれない。俺が目を背けていただけだ。
吉田はそれだけ言うと帰って行き、その入れ替わりで今日は会社にいるはずのない弟がやってきた。