溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。



「やぁ、兄さん。ご機嫌いかがかな?」

「優也、どうしたんだ。今日来るとは思わなかったが」


 優也は、この前まで海外支社勤務だったため日本にはいなかったのだが来月から本社勤務となったため帰国したことは知っている。
 だけど、どうして今、ここにいるのか。そしてどうして会社までやってきたんだろうか。


「今、兄さんは藍ちゃんを探しに行きたくてたまらないからご機嫌は良くないか」

「は?」

「……藍ちゃんに、出て行かれたんだろ? 離婚届を置いて」

「な、なんでお前が知って……居場所も知ってんのか!?」

「なんでって、知ってるも何もウチで保護したからだよ。藍ちゃん、一人でキャリーケースを引いていたら声を掛けたんだよ。あんな蝶よ花よと育てられたお嬢様が荷物引いていたら変な奴に狙われるに決まってる。それに大切な幼なじみだし、家に強引に連れて行った」


 キャリーケース……もしかして部屋も片付けて出て行ったのか。


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