【2025春・書籍化予定】溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
15.幸せ
あの日から三日経った。
「……藍ちゃん、大丈夫?」
「うん、なんとか大丈夫。優也くん、ごめんねベッド占領しちゃって」
私は、悪阻の症状がピークになってきたのかずっと寝ている……優也くんのお部屋で、優也くんの新品のベッドを使わせてもらっている。
この部屋に邪魔してベッドを使っていいと言ってくれた優也くんに甘えるわけはいかないと思って断ったんだけど、その後安心したのか倒れてしまった。
それからもうずっと寝てしまって彼に心配をされて、迷惑をおかけしている。
「いいんだよ。体、辛いなら寝てて。俺は会社に行くけど大丈夫?」
もう優也くんはスーツを着ていて私と話しながらネクタイを締めていた。
「うん、大丈夫」
「じゃあ、何かあれば電話してね。行ってくる」
「ありがとう、お見送りする……」
お世話になりすぎてるんだし、お見送りくらいはしなくてはと立ち上がる。だけどずっと寝ていたからか足に力が入らなくてフラついてしまう。