【2025春・書籍化予定】溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
3.お見合い
お見合いを了承して、一週間後。
私は叔父様のお家で前日に泊まり翌朝は早く起きて、お母さんと叔母様に着付けをされてヘアメイクアーティストをしていた叔母様に髪をセットしてもらっていた。
急なことだったので仕立てることはできなかったが、成人式の時にお祖父様に贈っていただいた振袖で至極色と呼ばれる深い赤紫色の生地に柄は華喰い鳥を中心に牡丹や伝統的な花文様などの古典柄が煌びやかな装飾がされている。
それに合わせる帯は西陣織で明るめの金色に梅と桜が描かれている。それを福来雀結びにした。
「藍梨ちゃん、編み下ろしでも大丈夫かな?」
「はい。もう、お任せします」
「了解、じゃあやっていくね」
叔母様は手際よくふんわりと編み込みをしてガーベラやマム、玉飾りなどのヘッドドレスを付けてくれた。
始めてから一時間半ほどかかり、完成した私はまるで別人の様だった。