【2025春・書籍化予定】溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
4.豪華客船


 染め上がった布を畳んでいく。その作業が全て終わると溜め息が出た。

 ――あのお見合いから数日が経った。
 私は、あの日振袖を脱ぎメイクを落として髪を解くと冷静になった。
 お見合い相手が優生さんだなんて、都合の良い夢なんじゃないかと思えたけど彼と交換したLINEの優生さんのアカウントからお礼のメッセージが届いて現実だったのだと実感して。

 それに私と結婚なんていいのだろうか……だって、優生さんはきっとモテるし結婚相手は選び放題だと思う。それに比べて私は可愛いとは言い難い平凡顔だし、体だってスタイルがいいわけないし、染織をするから手は荒れてる。令嬢のような手とは程遠いのに、なんで私なんだろう。
 そんなことを考えていれば、スマホの通知音とともに震えた。画面を見ると、【優生さん】と表示されていてそれをタップをする。
 するとLINEのトークページが開かれてまだ一度しか交わしていないメッセージが一番上に出ていてその下に未読と表示がされておりアイコンの隣に吹き出しで【こんにちわ】と新しく表示がされた。


【今度の24日、夜は空いてる?】

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