【2025春・書籍化予定】溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
8.結婚式


 結婚して新居での生活にも慣れ彼に用意してもらった工房で染織をしながらも快適な生活をしている。

 それから半年、季節は変わって六月。雨が続いていたのに今日は快晴。空は青空で晴れの日に相応しい天気だ。


「はぁ、緊張する……」


 今日は私たちの結婚式当日。
 前日にホテルKARAHASHIのスイートルームに泊まり込み、ホテル内のエステサロンで最後のケアをしてもらったりしてゆっくりと過ごした……が。

 今朝は支度があるため、四時に起き四時半にルームサービスで朝食を食べた。
 今は薄ピンクの掛け下に花柄の刺しゅう襟、そこに濃いグリーンの重ね襟を合わせており金糸の刺繍でさりげなく四季の草花を施されている白無垢を着ている。髪はゆるふわのダウンシニヨンに大きめのお花のつまみ細工とチュールの髪飾り、金糸で鶴の刺繍がされている綿帽子をしている。

 目の前の鏡に映る自分は誰だこれ状態……というか、色々重い。
 この綿帽子の下は、セットした髪に針金が刺さっているため何か変な感じ。いつもなら付けないような真っ赤な口紅だが、白無垢で真っ白なので不自然じゃない。

 着替え終わったのは九時でそれからスタッフの方が迎えに来てくださって、優生さんと合流する。


< 61 / 130 >

この作品をシェア

pagetop