溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
「そう言う藍梨ちゃんもお金持ちだけどね」
盛大なツッコミを受けていれば、もうディナーの時間になったようで部屋のダイニングのような場所にスタッフさんがやって来て料理がセッティングされた。
「こちらから順にアミューズブーシュに魚介類のマリネと季節のサラダ仕立て、牛フィレ肉のグリルの赤ワインソーストリュフ風味となります。デザートは食事の後でよろしいでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします……藍梨ちゃんもいいよね?」
優生さんに問われて了承するとスタッフさんは「かしこまりました」と言い退室していった。
実のところ、披露宴では食事が全くできなくて口にしたのは紅茶の横に出ていたマカロンだけだ。マカロンは美味しかったが、それだけじゃお腹が膨れるわけもなく今じゃペコペコで美味しそうな料理の香りが食欲を誘い手が止まることなくパクパクと食べてしまった。
食べながら見る素敵な景色を眺めていると、スタッフが尋ねて来てお皿を下げるとすぐにケーキが運ばれてきた。小さなホールケーキにマジパンでできたバラやイチゴ、ブルーベリーが飾られていた。
お皿には【結婚おめでとう】と書かれていて可愛い。