溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。



  ***


 食事の後はゆっくりと過ごして、お互いお風呂に入ることにした。

 浴室はお屋敷よりは広くないが、ホテルとしては広くて大きいと思う。浴槽と体を洗う場所があり、のんびりとお風呂に浸かることができる。


「ふぅ〜……湯船は落ち着くなぁ」


 そうだ、今日って、結婚式終わったし初夜ってことだよね。指輪を交換して、夫婦になったんだなぁと実感はしたけど……初夜のことは考えてなかった。でも今日からは夫婦の営み、というものをしなくてはいけないんだと思う。
 お互いに名家出身で、優生さんは社長だ。そのために後継者は私が産まないといけない。それは避けられないことで……妻として頑張らないとだ。


「もう出よう……色々考えちゃう」


 私は湯船から出て、バスタオルで体を拭くとこの日のために購入した薄ピンク色のブラジャーにセットの下着を履いてブラウン色のルームワンピースに着替えた。
 肌触りの良いコットンジャージの生地が着心地がとても気持ちいい。着替えて髪をドライヤーで乾かしてから部屋に戻る。


「優生さん、お待たせしました」

「おかえり、藍梨ちゃん。お茶飲む?」

「はい、飲みます」


 優生さんはお茶を淹れてくれるとお風呂に行くと言い浴室へと行ってしまった。私はソファに座って淹れてくれたばかりの湯気が立つお茶を飲む。
 温かくてホッとする。だけどこれからのことを思ったら、ドキドキしてソワソワしていた。キョロキョロと室内を見ていればしばらくして優生さんが戻ってきた。

 同じようなパジャマだがズボンとセットのネイビー色を着ていた。同じようなデザインなのに大人の色気が漂っている……昼間は爽やかな王子様だったのに。このホテルのお部屋の効果かもしれない。だってこの部屋キラキラしてて、別世界みたいなんだもの。

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