溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。

「お待たせ、藍梨ちゃん。あー……ロゼワインでも飲む？　さっき頼んだんだ」

「え、あ、はい。飲みます」
　

　彼はワイングラスに注ぐとワインの色は透明なピンク色で可愛い。


「藍梨ちゃんは飲んだことある？」

「いえ、赤ワインはありますけどこれはないです」

「そうなんだ、じゃあ初めてのロゼだね」


　私は一口飲むとフルーティーな香りが鼻を通ると、爽やかでほのかな甘みが口いっぱいに広がった。とても飲みやすい。


「……どうかな？」

「美味しいです。ふふ、優生さんとお酒飲むの初めてですね。結婚してからもなかったですし、なんだか新鮮です」

「そういえばそうだね、嬉しいな」


　半分ほど飲み終わって談笑をしていると優生さんがグラスを置いて私の目を見た。


「藍梨ちゃん、キスしてもいい……？」　

「……っあ、はい。よろしくお願いしますっ」


　夫婦の営みを覚悟してきたくらいなんだからキスなんて通過点なのに、今まで経験がなくてどうしたらいいのか分からずにいると「目、閉じてもらってもいいかな？」と声が聞こえて目をゆっくり瞑った。
　すると、唇に柔らかい感触がした。そして頬に彼の手が触れ、驚きビクッとして目を開けてしまった。