溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。




「驚かせてごめん。藍梨ちゃんは……初めてだった?」

「は、はい。すみません……」

「謝ることじゃないよ。逆に嬉しいな……俺が初めてだなんて」


 きっと、優生さんはかっこいいから彼女の一人や二人いたと思うしキスも経験済みなんだろうな。それに、それ以上もしてるんだろう。そう思ったら、なんだか胸がズキっと痛む。


「今日は、もう寝ようか」


 そう言われて私はどうして?という感情がグルグルと巡って思わず「どうして、ですか」と問いかけてしまう。


「無理は良くないし、今日は疲れただろう」

「無理って、なんですか。私が、初めてって言ったからですか……それとも、本当は抱く気持ちになれないからですかっ?」

「それは違うよ。でも、初めてだからゆっくりすればいいと思って」

「……優生さんは、経験、ありそうですよね。私なんて比べられないくらいの綺麗な女性とかと。キスすらできない私みたいな、子どもなんて触れるのもめんどくさいですよねっ」


 こんなこと、結婚式の後に言っちゃうなんてそれこそ子どもだし最悪だ。優生さんと目が合わせられなくて俯く。

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