溺甘純愛婚。 〜財閥社長とウブな令嬢のラグジュアリーな新婚生活。
私が頷くと「何食べたい?」と優生さんに問われて、綺麗に盛られているチーズの盛り合わせを指さす。すると、優雨生さんは小さくカットされているカマンベールを私の口に運ぶ。
「美味しい?」
「おいしいです……優生さんは何食べます?」
「じゃあ、これ」
指を指したのはクリームチーズが生ハムで巻かれているものだった。
「これですか?」
「うん、それそれ。ちょうだい」
「……え」
「俺も、口に入れてあげたでしょ? 一緒だよ」
一緒だと言われてしまったらするしかなくて、意を決してそれを彼の口に運んだ。
「ひゃぁ! ゆっ、優生さん!? 何を」
「ん。おいしい……可愛い反応が見たかったんだよ、藍梨ちゃんは指まで甘いね」
「……な、何を――」
言いかけると急に明るくなり、大きな花が咲いたように花火が打ち上がる。飽きさせない多彩に変化する美しい花火は壮観だった。そして音楽に合わせて約五〜七分にかけて行われているワイドスターラインは圧巻だった。