断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
だからこそやり直す前に骨抜きにされたミルシュカを連れて来たというのにニコラウス殿下はミルシュカへと視線すら向けないし、私を嵌めてまで殿下を自身のモノにしたミルシュカは何故か敵意を向けて睨んでいる。
もちろん殿下を。
“な、なんでなの……! あなたたち運命の相手だったんでしょ!?”
やり直す前とはいえ、一度でも私を殺した相手を好きになるようなことはなく、植え付けられたあの恐怖と不快感は今も私の中にある。
だからこそハッキリ婚約は出来ないと拒絶したいが、残念ながら『今』の私にはそれだけの理由がないのも確かで――
「そろそろ可愛い君にいい返事を貰いたいんだがね」
「……ッ、ま、まぁ、そんなお戯れを……」
「むしろ戯れているのはビクトリアじゃないか? 君に焦がれ手のひらで踊らされてしまっているよ」
「あ、あはは……」
“権力なの!? 王太子の座を狙ってるの!? でも王太子の座を狙っていたならなんでやり直す前は裏切ったのよ!”
内心で抗議する私の手を握ったニコラウス殿下が、そっと手の甲へと口付けを落とす。
その瞬間に全身へ悪寒が走った。
もちろん殿下を。
“な、なんでなの……! あなたたち運命の相手だったんでしょ!?”
やり直す前とはいえ、一度でも私を殺した相手を好きになるようなことはなく、植え付けられたあの恐怖と不快感は今も私の中にある。
だからこそハッキリ婚約は出来ないと拒絶したいが、残念ながら『今』の私にはそれだけの理由がないのも確かで――
「そろそろ可愛い君にいい返事を貰いたいんだがね」
「……ッ、ま、まぁ、そんなお戯れを……」
「むしろ戯れているのはビクトリアじゃないか? 君に焦がれ手のひらで踊らされてしまっているよ」
「あ、あはは……」
“権力なの!? 王太子の座を狙ってるの!? でも王太子の座を狙っていたならなんでやり直す前は裏切ったのよ!”
内心で抗議する私の手を握ったニコラウス殿下が、そっと手の甲へと口付けを落とす。
その瞬間に全身へ悪寒が走った。