断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
“最低限の公務だけをこなし、それ以外は私室に籠って研究三昧って話だったわよね”

 王位継承権第一位なのに、二十四になった今も立太子されないのは彼自身が研究を優先し拒否したからだともっぱらの噂で、そしてだからこそ第二王子であるニコラウス殿下とフォシェル公爵家との縁談が持ち上がったのだから。


「ねぇ、感想を教えて欲しいのだけれども」
「感想、でございますか?」

 どこか楽しそうに口元を緩めたアンドレアス殿下のその言葉に首を傾げる。

“そういえば、さっき『おかえり』って言っていたわね。一体何のことかしら”

 アンドレアス殿下の言葉の意味が理解できていない私を少し可笑しそうに口元だけ緩めて笑った殿下は、その骨張った指先で私の胸元をトンと押した。


「未来からやり直して来たんでしょ?」
「――――ッ!?」

 くすりと笑うアンドレアス殿下の赤い瞳が妖艶に揺れ、ドクンと私の心臓が跳ね上がる。

「なっ、何故……ッ」
「だってあのネックレスを直したの、俺だもの」
「は、は……?」

“魔道具のネックレスを、直した……?”

 だが魔道具とは古代の技術で作られた奇跡の品物。
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