断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
 言われた言葉の意味がわからずポカンとしてしまう。

“怒っては、いないのかしら?”

 戸惑いつつも、更に私からの回答を待つように見つめ続ける殿下へと肯定の意味を込めて私はコクコクと頷いた。

「そうか、私も好ましく思っている」
「……へ、へっ?」

“突然なに……っ!?”

 まさかそんな言葉がアンドレアス殿下から返ってくると思っていなかった私の肩がビクリと跳ねる。
 すると、そんな私が可笑しかったのかククッと喉を鳴らして笑った殿下がふわりと私の頭を撫でた。

 その手があまりにも優しかったせいか、私の頬がじわりと熱くなって。


「魔道具が失われてしまったのは惜しいが、君はその使用者なんだ。愛おしいに決まっている」
「…………はぁ」
「いわば生き証人ってやつか? それに君を巻き戻したあの魔道具は俺が十四の時にはじめて魔力を込めた魔道具でね」
「は、はぁ……」
「つまり、君は俺のはじめてを奪った相手ということにもなる」
「はあぁ!?」

“研究者の思考回路、本当にわからないわ!”

 そして続けられた語弊しかない言葉たちに愕然とした。

 
「まぁ、つまりだ」
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