断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
8.やり直す前もあわせて初です
“もう色恋で盲目になんてなりたくないのに”
足元を掬われ、裏切られるなんてもうこりごり――そう、思っていたのだが。
「手を」
「ありがとう、ございます」
ニコラウス殿下と違い、あまり表立ってエスコートしている姿を見なかったため然り気無く手を差し出されて一瞬戸惑う。
そんな慣れていない私の様子に少し不思議そうな顔をした殿下は。
「ニコは、エスコートしたことがなかったのか?」
「あ、いえ……」
今世ではしようとしてくださいます、なんて続けかけて口をつぐんだ。
プライド、とでもいうのだろうか。
“やり直す前にニコラウス殿下がエスコートしていたのは、婚約者の私ではなくミルシュカだった”
それはあまりにも屈辱的なことで、そしてその事を知られたくないと思ったのだ。
選ばれない、不要な存在だったのだと知られたくなくて。
そんな私の気持ちを察したのか、すぐに笑顔へと切り替えたアンドレアス殿下がにこりと微笑む。
「そうか。では改めて、俺にエスコートさせて貰えるだろうか?」
「……はい」
足元を掬われ、裏切られるなんてもうこりごり――そう、思っていたのだが。
「手を」
「ありがとう、ございます」
ニコラウス殿下と違い、あまり表立ってエスコートしている姿を見なかったため然り気無く手を差し出されて一瞬戸惑う。
そんな慣れていない私の様子に少し不思議そうな顔をした殿下は。
「ニコは、エスコートしたことがなかったのか?」
「あ、いえ……」
今世ではしようとしてくださいます、なんて続けかけて口をつぐんだ。
プライド、とでもいうのだろうか。
“やり直す前にニコラウス殿下がエスコートしていたのは、婚約者の私ではなくミルシュカだった”
それはあまりにも屈辱的なことで、そしてその事を知られたくないと思ったのだ。
選ばれない、不要な存在だったのだと知られたくなくて。
そんな私の気持ちを察したのか、すぐに笑顔へと切り替えたアンドレアス殿下がにこりと微笑む。
「そうか。では改めて、俺にエスコートさせて貰えるだろうか?」
「……はい」