断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
「いや、構わない……が、そうだな。俺のことはアンディ……いや、アレスと呼んでくれ」
「あ、アレス様、ですか?」
「あぁ。俺はビビと呼ぼう」
“お互いに愛称呼びって”
流石に畏れ多すぎるが、バレない為という名目がある以上従うしかない。
それに、婚約者同士だったやり直し前ですら家族以外には呼ばれなかった愛称。
それをこの惑わすような赤い瞳で見つめられながら呼ばれるだなんて――
“ニコラウス殿下にも呼ばれたことはなかったのに”
それはまるで禁断の果実を齧ったような、そんな背徳感とくすぐったさを私に刻んだのだった。
……まぁ、そんな甘美な背徳感は着いたお店でよくわからない薬草に目を輝かせるアンドレアス殿下の様子ですぐに消え去ったのだが。
「ビビ、これは何かわかるか?」
「何かの薬草、ですかね」
「あぁ。これは月光草と言って月の光でしか育たない特別な薬草でね。主に腰痛など湿布薬の精製に使われるんだが」
「湿布薬」
「あ、アレス様、ですか?」
「あぁ。俺はビビと呼ぼう」
“お互いに愛称呼びって”
流石に畏れ多すぎるが、バレない為という名目がある以上従うしかない。
それに、婚約者同士だったやり直し前ですら家族以外には呼ばれなかった愛称。
それをこの惑わすような赤い瞳で見つめられながら呼ばれるだなんて――
“ニコラウス殿下にも呼ばれたことはなかったのに”
それはまるで禁断の果実を齧ったような、そんな背徳感とくすぐったさを私に刻んだのだった。
……まぁ、そんな甘美な背徳感は着いたお店でよくわからない薬草に目を輝かせるアンドレアス殿下の様子ですぐに消え去ったのだが。
「ビビ、これは何かわかるか?」
「何かの薬草、ですかね」
「あぁ。これは月光草と言って月の光でしか育たない特別な薬草でね。主に腰痛など湿布薬の精製に使われるんだが」
「湿布薬」