断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
「え? き、今日はガンド歴387年の12月5日、ビクトリア様の十歳のお誕生日でございます」
“十歳の誕生日!”
それは『私の記憶で言えば』ニコラウス殿下と婚約が結ばれた日。
そしてエマや、この鏡に映る自身の姿から言えば『まだ成立していない』出来事。
“どういうこと? ありえない、まさか全て夢だったとでも?”
私の手はぷにぷにとした子供のもので、鏡に映るのも幼い頃のその姿。
しかし夢だった、子供の妄想だったというにはいささか長く、そしてあまりにも鮮明に思い出せる時間と痛み――……
「あら? ビクトリア様、いつもされているネックレスは……」
「え?」
不思議そうにそう告げられ、慌てて胸元を確認する。
「お祖父様にいただいたネックレスがないわ……!」
「た、大変でございます! すぐに邸の者皆で……」
「待ちなさい」
私の発言にハッとしたエマが慌てて部屋を飛び出そうとするのを、さっと制止する。
「ネックレスを探す必要はないわ」
「ですが」
「心当たりがあるの」
“何があっても必ず身につけているようにと何度も言いつけられたネックレス”
“十歳の誕生日!”
それは『私の記憶で言えば』ニコラウス殿下と婚約が結ばれた日。
そしてエマや、この鏡に映る自身の姿から言えば『まだ成立していない』出来事。
“どういうこと? ありえない、まさか全て夢だったとでも?”
私の手はぷにぷにとした子供のもので、鏡に映るのも幼い頃のその姿。
しかし夢だった、子供の妄想だったというにはいささか長く、そしてあまりにも鮮明に思い出せる時間と痛み――……
「あら? ビクトリア様、いつもされているネックレスは……」
「え?」
不思議そうにそう告げられ、慌てて胸元を確認する。
「お祖父様にいただいたネックレスがないわ……!」
「た、大変でございます! すぐに邸の者皆で……」
「待ちなさい」
私の発言にハッとしたエマが慌てて部屋を飛び出そうとするのを、さっと制止する。
「ネックレスを探す必要はないわ」
「ですが」
「心当たりがあるの」
“何があっても必ず身につけているようにと何度も言いつけられたネックレス”