断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
「……そうよ、何で気付かなかったの」

 宰相は我がフォシェル公爵家と派閥を争っている。
 つまりあの夜の黒幕は――

 ◇◇◇

“でも、何が目的なのかしら”

 一番に思い付くのは政争。
 魔道具にばかりご執心の第一王子か、どうやって自分が王太子に選ばれたかも忘れ婚約者を処刑するような愚か第二王子なら傀儡にしやすいのは断然後者だ。

 ミルシュカを唆し、ニコラウス殿下を陥落させて力を削げ落とし自分の思う通りに動かすのが目的、それが現状最もあり得そうな答えなのだが……。


「どうだ? ビクトリアの為に用意した紅茶だ」
「ハルン産の物ですね。ほんのり香り口に広がるオレンジが素晴らしいですわ」

“どうしてこんなことに!”
 
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